介護職の退職・重圧が一因か
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最近、入所施設で介護職員の不祥事や、職員の利用者の方に対する意識調査の発表の記事を読み、大変残念に思っております。
しかし、介護職員を志し現場で働いている人たちのほとんどが、心の底からお年寄りのお世話をさせていただきたいという気持ちで勤めている、ということも事実であります。
私が以前から感じていた事は、施設において現場以外の職員は長くその職についていることが多いのに比べて、介護職員は1~3年程度で退職するケースが非常に多い。
これは現場の介護職員が利用者の方の生活向上を図るためのお世話を行いながら、安全確保に留意する(特に夜間帯)ことへのプレッシャーに押しつぶされていくからだと思っておりました。
現在、多くの施設がユニットケア・個室化を進めていますが、現場の職員配置を変えずにハード面だけを、充実していこうとすれば、介護職員による事件・事故が続発する恐れがあると思っております。
介護保険の財源も逼迫している中で、職員配置を多くするのは、難しいかもしれません。
行政にもしっかり考えていただきたいと思いますが、この問題は私たち一人一人が考えていかなければならないと思います。 |
| 平成17年4月14日 静岡新聞 朝刊”ひろば”へ投稿 |
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小規模デイサービス・デイルームにじの家の運営
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施設の概要
デイルームにじの家は、平成16年4月に平屋の民家をお借りして定員10名の施設として開設した、小規模型デイサービスです。
小規模デイ開設の取り組みまでの経緯
介護職として15年余り施設等でご利用者の方と接し、また勤めていた職場だけでなく数多くの施設を見学させていただいたり、さまざまな情報を見たり聞いたりする中で、立派な建物の施設はあっても、利用者の立場を考え一人ひとりの個性(性格等、元々備わっているもの)や、特性(疾病後の障害や認知症等)を重視したお世話をすることの難しさを感じていました。
そしてそれは、施設側(経営者)の考え方や、職員間のスキルのギャップ等現場の問題である場合もありますが、いちばんは制度上の問題であると考えました。
現在の職員配置で介護をしようとすれば、全体の現状把握や安全確保に追われてしまい「個々の利用者の特徴(ADLや認知症)に合わせた介護をしよう」と頑張ってみても、ついていけない職員は辞めてしまい、出来る職員も疲れ果ててしまうのです。
また、ユニットケア化が進んでいますが、ある施設の職員からは「以前よりも画一的で、十把一からげ的な介護になってしまった」という声が聞かれたこともありました。そうした現状に、一人ひとりの利用者にきちんとした対応ができ、それにともなった職員体制を作らなければいけないという必要性と、それができるということを示したい思いから、小規模デイサービス「デイルームにじの家」を開設しました。
ホーム(家)単位よりも細分化し、ルーム(部屋)単位で利用者と接しようという考えから「デイルーム」と名付けたのです。
職員配置は代表を含め正社員5名、パート職員1名をあわせ計6名で運営しています。
運営上の方針
にじの家では、利用者に満足してもらえるサービスを提供するため、10名までの少人数でのケアを行っています。
食事については山形県の農家から取り寄せた無農薬・無化学肥料で作ったお米や野菜を使う等、利用者の健康と安全を考えた家庭的な手作り料理にこだわっています。
入浴についても家庭のお風呂と同じように一人ずつゆったりと入っていただいています。
また、天気の良い日には、お散歩をしたり、庭でのお花や野菜作り・習字・カラオケ・手芸・マージャン・トランプ、時には買い物など、楽しく自然なレクリエーションを取り入れています。
家庭で当たり前にしていたことをにじの家でもごく自然にしていただき、その人らしい生活を支えます。
そして、何もせずゆっくり過ごしていただくことも自由です。
施設を運営するうえで、私たちは、自分が利用者の立場だったら、ということを常に念頭においています。
たとえば、家族やケアマネージャーからの問合せの際、送迎の距離が5KM以上の場合は利用者に長時間送迎車に乗っていただく負担を考慮し、住んでいる地域に近い施設を紹介することもあります。
また、施設が築30年近い住宅で段差もあり、トイレやお風呂も手狭なため、利用者にとって必要以上の無理や負担をかけてしまうことが懸念される場合は、その方にとって私たちの施設よりも利用しやすい施設を紹介させていただくこともあります。
(こうした考え方については、他の施設の方々から「断らないことこそが、利用者のためになるのではないか」という意見もいただいております)。
お便りの発行
家族や担当のケアマネージャーに当施設の活動内容をお知らせするため、毎月『デイルームにじの家便り』を発行しております。
特別な内容はありませんが、日頃の利用者の表情や様子をお知らせできればと思っています。
利用者の反応・職員の感じ方
大規模施設の利用を断られたり、「大人数ではどうも合わなかった」という利用者が、当施設ではその人なりに落ちついた様子で過ごしています。
しかし、その一方で、見学やお試し利用の際に「狭くて、息苦しい感じがする」「人数が少なくてさびしいね」といった理由で利用に結びつかなかったこともありました。
また、職員も利用者との距離が近くて楽しいし、やりがいがある一方で、利用者と密に接する分、精神的なストレスが大きいといった部分を同時に感じているという意見もあります。
課題と今後の展望
平成16年4月に開設から2年以上赤字経営が続いてきましたが、平成18年10月現在、1日の平均利用は6人を少し超え、月ベースで多少の利益が出るようになりました。
今後は、職員や利用者のためにも、安定的な経営が出来るように努力していかなければいけないと思っています。
将来の展望としては、施設の改修や他の場所への移転等も検討しながら、より多くの利用者のニーズに対応するため、どのような状況、状態である方でも安心して利用できるような施設づくりを進めて行きたいと思っています。
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| 平成19年1月1日 全国社会福祉協議会発行 ふれあいケアより |